足は大切だなあと思いながら。 30年後、40年後の自分の足を思って、フットケアの現場でいつも心の中で感じていること

巻き爪や分厚い爪、タコやウオノメ…。

お客様の足に触れながらお話を伺っているときは

「足って、本当に大切だなあ」
「いつまでも、自分の足で歩いていたいな」

そんなことを、自分自身の足のことも思い浮かべながら、よく考えています。

そして、

「ほとんどの人は足は大切だと思っているのに、どうしてケアは後回しになりやすいんだろう?」

と感じてしまうことも、少なくありません。

このブログでは、

フットケアの現場で日々感じていることや、

20年後・30年後・40年後の自分の足にそっと思いを馳せながら、大切にしていることを、

少しだけ言葉にしてみました。

目次

「足は大切」って思っているのに、なかなかケアまで届かない理由

お客様とお話ししていると、

ほとんどの方が口をそろえてこうおっしゃいます。

「足って大事ですよね」
「この先も自分の足で歩きたいです」

けれど実際に、

フットケアを受けている方は、まだまだ少数派です。

爪切りも、かかとのケアも、靴の見直しも、

「気になりながら、なんとなく後回しになっている」

そんな方が、とても多いように感じています。

フットケアは「健康寿命」を支える土台づくり

看護師として、そしてフットケアを専門にしてからもずっと感じているのは、

足の状態は、その人の「健康寿命(自力で歩ける年数)」と、とても深くつながっているということです。

・巻き爪や分厚く変形した爪が、靴に当たって痛い
・タコやウオノメが痛くて、無意識にかばう歩き方になっている
・足のアーチがくずれて、ふらつきやすくなっている

こうした「ちょっとした足のトラブル」は、

そのまま「つまずきやすさ」や「転倒リスク」にもつながっていきます。

運動習慣をつけることは、とても大切です。

実際、ウォーキングや体操に取り組まれている方は、たくさんいらっしゃいます。

ですがその土台となる「足そのもの」が弱っていると、

どれだけ頑張って歩いても、知らず知らずのうちに負担を増やしてしまうこともあります。

フットケアは、健康寿命を支えるための「いちばん下の土台づくり」

私は、そう考えています。

足は「見せなくていい場所」だからこそ、後回しになりやすい

顔や髪は、毎日鏡で見ます。

手も、人前に出ることが多いです。

一方で、足先はどうでしょうか。

靴や靴下で隠れてしまうことがほとんどで、

「見せなくてもなんとかなる場所」です。

だからこそ、

・恥ずかしくて人に見せられない
・人と比べる機会が少ないので、自分がどのくらい重症なのか分かりにくい
・困ったときも、自己流のケアや対策で、なんとかしのいでしまう

そんなふうに、ケアの優先順位がつい下がってしまうのだと思います。

でも本当は、

自分だけが知っている「足もと」をいたわることは、

自分自身を大切にすることそのものではないでしょうか。

「自分のためだけのケア」を、足もとから

誰かに見てほめてもらうためではなく、

写真に写るためでもなく、

「20年後・30年後・40年後も、自分の足で歩いていたいから」

その思いで足を整えていくフットケアは、

とても地味に見えるかもしれません。

でもその積み重ねは、

20年後・30年後・40年後の「歩ける自分」を守ってくれるものだと、私は信じています。

当サロンに定期的に通ってくださっている方を見ていると、

共通しているのは、

自分を大切に扱うことを、自分にきちんと許すことができている。

ということだと感じます。

忙しい日々の中で、あえて時間をとって足をケアする。

それは、自分の潜在意識に

「自分は大切な存在なんだよ」

というメッセージが、そっと伝わっていく時間のように感じています。

最後に ― 私がフットケアを大切にしている理由

足は、毎日、黙って体を支えてくれている場所です。

看護師として、そしてフットケアに携わる一人として、

私は、足もとを丁寧に整えることが、

「行きたいときに、行きたい場所へ、自分の足で向かえる時間を少しでも長くすること」

につながっていくのではないかな、と感じています。

そしてそれはきっと、

これからの人生を、自分の歩幅で、自分らしく歩いていくことともつながっているのだと思います。

「ちゃんと歩ける毎日を、この先も続けていきたい」

その願いは、

「これからの人生も、自分の足で、一歩一歩進んでいきたい」

という想いと重なっているように感じます。

そんな想いを胸に、

私自身も日々、お一人おひとりの足と向き合っています。

ここまで読んでくださって、本当にありがとうございます。

たいせつな時間の中で、この文章に目を通していただけたこと、とてもうれしく思います。

目次