蒸し暑い毎日、足の手入れで水虫を予防しましょう
梅雨の時期、足の指の間がジュクジュクした状態になっている、水虫疑いの方が増えています。
水虫とは、白癬(はくせん)という真菌(カビ)が、足の角質層に寄生することで生じる皮膚の感染症です。
足の水虫は、「趾間型」「小水疱型」「角質増殖型」の3つのタイプに分類されます。
白癬菌が足の角質層を侵食すると足の指や足の裏などに水疱や皮膚の剥離などが起こり痒みを生じます。
しかし、角質増殖型では痒みはほとんどないため、水虫と気づかずカサカサかかとと勘違いしている方もおられます。
水虫であるかどうかは、患部の角質を少し削って顕微鏡で検査することで診断されます。
白癬菌は、皮膚の角質などに含まれるケラチンというたんぱく質を栄養源にして増えます。
水分や汗が残った湿った皮膚も白癬菌が増えやすい環境になります。
水虫の予防法
・毎日、足を洗う
水虫の予防には、足の清潔を保つことが大切です。
一日の終わりに足をきれいに洗いましょう。
足に付着した白癬菌は、その日のうちに洗い流しましょう。
足指の間も丁寧に洗いましょう。
洗った後は、皮膚に水滴が残らないように丁寧にタオルで押さえ拭きしましょう。
もちろん、足の指の間も拭いて下さい。
湿った足は、白癬菌に好かれます。
ゴシゴシこすり拭きは、肌表面に傷がつくので気をつけましょう。
毛羽だった皮膚は、白癬菌がくっつきやすくなります。
・靴や靴下選び
足に合わない靴を長時間履き続けると足が蒸れます。
意外かもしれませんが、ゆるい靴の方が蒸れます。
5本指ソックスなどを利用して指間の蒸れを予防しましょう。
冷えるからといって、靴下を履いたまま寝るのは、NGです。
寝ている間も汗をかいています。
足は全身の中でも発汗量が多い部位です。
靴下が湿り、逆に足が冷えてしまう場合もあります。
靴は2~3足をローテーションし、毎日同じ靴を履かないように。
一日履いた靴は、通気性のよいところで乾かしましょう。
靴の型崩れの予防、臭い予防にもなります。
・感染を防ぐ
不特定多数の人が素足になる施設、温泉、プール、座敷などには、必ず白癬菌がいると意識して行動しましょう。
そのような場所を利用した際も、必ずその日のうちに足を丁寧に洗いましょう。
家族内に水虫の方がいる場合は、バスマットやスリッパは別々のものを使用しましょう。
・高齢者の方など、施設に入居されている方の水虫予防のポイント
施設に入居している方は、靴を履いて過ごす時間が多くなり足が蒸れやすくなります。
靴を脱ぐ時間を意識的に設けたり、5本指ソックスの着用をおすすめします。
5本指ソックスを自分で履くことは、リハビリにも役立ちます。
毎日入浴しない、入浴しても足の指の間まで十分洗えていない方が大勢いらっしゃいます。
高齢者の足は汚くてあたり前と思い込まず、ぜひ足浴を毎日のケアに取り入れて下さい。
水虫の予防や改善に効果的です。
足を温めながら丁寧に足全体を指の間まで洗ってください。
その方の体調によりますが、10~15分程度が目安です。
足浴の後は、水分が残らないようにタオルで押さえるようにして拭きとります。
皮膚に余計なストレスを与えないようにゴシゴシと拭きとることは避けて下さい。
水虫薬が処方されている場合は、患部に浸透しやすい入浴後や足浴後に塗ると効果的です。
症状のある部分だけ塗布している方が多いのですが、白癬菌は足全体に広がっていることが多いです。
水虫薬は、足全体にまんべんなく伸ばしてくださいね。
まずは、「毎日、足を見る」ことから始めて下さい。
指と指の間もしっかりチェック。
白くふやけていたり、切れていたり・・・
水虫を軽視せず、見つけた時には、放置せず相談すること、受診することをおすすめします。